山崎どうぶつ病院BLOG

橈尺骨骨折(前肢、肘から手首の間の骨の骨折)について

2019年11月11日

近年、日本では小型犬種に人気が集中しています。
小型犬種では飼い主様が抱いていて落としたり、ソファやイスから飛び降りたりすることで、橈尺骨骨折(とうしゃくこつ骨折:肘から手首の間の骨)の症例が増加しています。

 

小型犬種の骨は細くて薄く、大型犬種に比して血管供給が少ないため、癒合遅延、癒合不全の頻度も高く、治療が困難な骨折です。

 

一部の例を除くと、外固定法や髄内ピンによる治療は、変形癒合や癒合不全の発生率が高いため、教科書的には推奨されていません。

 

当院では、イタリアやアメリカ、スイス製の最新のロッキングプレートによる内固定法と創外固定法により、小型犬の橈尺骨骨折の治療を行っています。
症例により、内固定法と創外固定法を使い分けていますが、近年、術後固定器具が体外に露出している創外固定法より、内固定法を希望される飼い主様が多くなっています。

 

 

【Case 1】

 

術前

術後直後

 

術後28日後

術後158日後(プレート除去後)

 

術前 術後

 

【Case 2】押入れから出てきたら, 右後肢挙上

 

術前 術後

 

 

 

 

執刀医紹介

獣医学博士 是枝 哲彰 

動物臨床医学会 評議員
日本獣医画像診断学会 評議員

獣医師 是枝 哲彰

 

  • 所属学会

獣医麻酔外科学会

日本獣医画像診断学会

動物臨床医学会

日本獣医がん学会

日本人工関節学会

European Society of Veterinary Orthopaedics and Traumatology

  • 経歴
  • 1992年
    日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)卒業
  • 1992〜94年
    日本獣医畜産大学 獣医臨床病理学教室研究生
  • 1994~98年
    日本獣医畜産大学 大学院博士課程 獣医臨床病理学教室所属
    「犬の悪性組織球症に関する研究」にて獣医学博士
  • 1993~98年
    AMIS(現IDEXXラボラトリーズ)診断獣医師:細胞診、病理組織診断
  • 1998年
    藤井寺動物病院 勤務
  • 1999年
    フロリダ大学ポストドクトラルフェロー
  • 2002年
    藤井寺動物病院 院長
  • 2007〜13年
    日本獣医生命科学大学 大学院特別研究生 獣医外科学教室所属

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